<構造・現状>
震災や海軍の高角砲台構築及び戦後観光島としての整備により改変されているが、遺構はかなり残っている。フランドル積みのレンガ構築物としては、日本最大規模である。
島の中央部を南北に走る掘割の東側高台に、24pカノン砲座4門が横墻を挟んで一列に並ぶ。第二砲台である。砲座の地下には兵舎と弾薬庫が2棟づつ構築されており、弾薬庫から揚弾する揚弾井が2箇所設けられている。左右の2砲座づつに弾丸を供給するものである。また、砲座の右手に観測所があり、その背部地下には司令所付属室が設けられている。観測所は高角砲台により消滅した。
掘割の北にはトンネル掩蔽部が続く。トンネル内部西側には2階建てで司令室、弾薬庫、兵舎などの地下施設が築かれている。トンネル上部には司令所と電燈所があったが、現在は、芝生広場になっている。
トンネルを抜けると第一砲台である。正面の土手上に2門の27pカノン砲座が並んでいる。左手には弾薬庫があるが、海軍により北側の高角砲台への通路トンネルとして堀抜かれている。弾薬庫には上部砲座へ揚弾する揚弾井がある。砲座背部には兵舎が設けられている。
また、桟橋前の広場上部にはレンガ造りの電気燈機関室(発電所)が残っている。
現在、国から無償譲渡された横須賀市がエコミュージアムとして整備しており、気軽に訪れることができる。
また、平成27年3月10日、その歴史的・建築的重要性が認められ、千代ケ崎砲台とともに国の史跡に指定された。